インフレとは?仕組みや原因をイラスト付きでわかりやすく解説

インフレ」という言葉、ニュースや新聞でよく目にしますよね。

「何となく言葉の意味は知っているけど、その意義やメカニズムはいまいち理解していない」という方も多いんじゃないでしょうか?

この記事では、そんな方に向けてインフレがどんな現象なのかわかりやすくまとめました。

インフレ(インフレーション)とは?

インフレとは「物価(=物の価格)が上がり続けている状態」のことを指します。

と言われても、あまりピンと来ませんね。

少しずつインフレについて理解を深めるために、まずはどんな時にインフレが起こるのか見ていきましょう。

インフレはなぜ起こる?

インフレが起こるには様々な原因があります。ここでは3つの基本的なパターンを見てみましょう。

①需要側の要因

需要側の要因で起きるインフレです。需要が価格を引っ張ることで起こるため、ディマンドプルインフレ(emand-pull inflation)と呼ばれます。

需要が高まると、価格が上がっても購買意欲が衰えません。そのためインフレになります。

このタイプのインフレは、景気の好転につながります。

 

②供給側の要因

原材料費の上昇など、供給側の問題によって起きるインフレです。供給側のコストが価格を押し上げるため、コストプッシュインフレ(cost-push inflation)と呼ばれます。

例えば、現在(2017年12月)、レタスの価格が平年の1.7倍に高騰していますが、これは先月の台風21号や長雨の影響で不作が続いているからなのだそうです。

景気が良くならないため、「悪いインフレ」などと呼ばれます。

 

③貨幣の供給量(世の中に出回るお金の量)が増えたため

貨幣の供給量(世の中に流通するお金の量)が増加したためにインフレが起きることもあります。

貨幣量は基本的に政府がコントロールしているため、このインフレを利用した政策(金融緩和)なども行われています。

 

このように、一口にインフレと言っても様々な種類があります。

では、インフレは社会にどんな影響を及ぼすのでしょう。

 

インフレ=景気が良い?

インフレ=景気が良い」というイメージがあるかもしれません。そのイメージはある意味正解、なんですが時に間違いです。

なぜかと言えば、ここまで書いてきたようにインフレにも様々な種類があるからです。

そもそも「景気が良い」とは?

そもそも、「景気が良い」とはどんな状態を指すのでしょう?

ざっくり言うと、「景気が良い」とは「経済が活発な状態」のことを言います。

では「経済が活発」っていったい何なのかと言うと、モノの売り買いが盛んで社会全体のお金の流れが速くなっている状態です。

「カネは天下の回りもの」なんて言いますが、景気が良い時はこの”おカネの回り”が速くて活発になっています

 

景気を良くするインフレ

さて、そんな景気を良くしてくれるのが①のディマンドプルインフレです。

→需要の高まりからインフレ(物価上昇)が起き→商品を生産する企業の利潤が上がり

→会社員に支払われる給料が増えて

→そのお金でまた商品への需要が高まって

→上に戻る

こんなスパイラルで景気が良くなっていきます。またこの過程で企業は開発や設備投資を積極的に行うため、社会全体の資本も成長していきます。

経済に良い影響を与えてくれるため、「良いインフレ」などと言われます。

 

悪いインフレとスタグフレーション

一方、「悪いインフレ」と呼ばれるものもあります。供給側の問題によって生じる②のコストプッシュインフレです。

景気が良くないのに、ただ物価だけが上がったら当然生活は苦しくなりますよね。なので悪いインフレなわけです。

中でも、「雇用や賃金が減少しているのにインフレが起きている」状態はスタグレーションと呼ばれ、最悪の経済状態だと言われています。

1970年代に起こったオイルショックでは、原油の価格高騰から日本もスタグフレーションに陥りました。

 

アベノミクスとインフレの関係

ところで、アベノミクスの要である「三本の矢」を覚えていらっしゃるでしょうか。

アベノミクス戦略 三本の矢
  1. 大胆な金融政策
  2. 機動的な財政政策
  3. 民間投資を喚起する成長戦略

アベノミクス三本の矢の一本目は、「大胆な金融政策」です。この政策はインフレと大いに関係しています。

ここでいう”金融政策”とは”金融緩和政策”と考えて問題ありません。では、”金融緩和政策”とは一体どのような政策なのでしょうか?辞書の解説を見てみましょう。

景気を刺激するために、通貨当局が公定歩合・支払準備率の引き下げ、買いオペレーションなどの金融政策によって通貨量を増大させ、資金需要を刺激すること。(大辞林より)

ちょっと難しいですね。

ざっくり言うと・・・

景気の好転を目指して、政府が世の中に流通するお金の量を増やそうとする政策です。

この政策は、③のインフレをきっかけに景気を好転させようとするものです。まずは貨幣量を増やしてインフレを誘発し、徐々に先ほどの景気が良くなるスパイラルに入り込むことを目指しているわけです。
アベノミクス一本目の矢はこんな狙いを持っていたんですね。

MEMO
あくまで「理論上こんな狙いがある」というだけで、金融緩和がうまくいくとは限りません。アベノミクス一本目の矢も、「本当に正しいのか」「実際にうまくいっているのか」など実施当初から果てしなく議論されています。

まとめ

  • インフレにも種類がある
  • 良いインフレ→景気が良くなる
  • 悪いインフレ→景気が良くならない
  • 金融緩和=貨幣量を増やして、良いインフレを目指す政策